Simple is Best
実は、1年近くかけてHA-1の新作を開発、テストしていたのですが、先日の
「春のヘッドフォン祭」に出品するのを断念しました。
( ↑ 写真は試作品です、ツマミやLEDなど、遊びでちょっと変わったものをつけてます)
ちょっと内輪話になってしまい恐縮ですが、HA-1は非常にシンプルな回路によるヘッドホンアンプ
なのですが、お使いの方々からはかなり良いご評価をいただいております。
で、欲が出て(笑)もっと部品数を増やして、凝った回路にしたらもっと良い音になるのではないか!
、と、、それで、検討、試作を繰り返していたのです。
贅沢にしたのだから音が良くなるはずだ、、とは、技術者の陥りやすい落とし穴です。
頭の中では「良い音のはず」という呪文で試作&試聴を繰り返したのですが、、
なんか腑に落ちないままヘッドフォン祭り直前となり、出品しようかどうしようか迷った末
信頼できる友人たちにいわゆる「ブラインドテスト」をしていただきました。
つまり、中の回路がどうとか、部品がどうとかの、全く説明なしで聴いてもらうわけです。
もちろん、それぞれがいつも使っているヘッドホン/イヤホンで、いつも聴いている曲で。
その結果、新作は現行HA-1と比べて有意差なし、若しくはHA-1の方がむしろ良い、という結果が
出てしまったのです。 あーヤッパリ、、自分でもうすうす感じていたのですが、、
残念だけどあきらめがつきました。
というわけで、図らずもHA-1の良さを改めて確認する、という結果になってしまいました。
使い古された言葉ですが「Simple is Best」です。
そもそも、ヘッドホンで音楽を聴くメリットは、スピーカーのように重くて癖のある対象物を
力任せにドライブする必要がないので、必要なエネルギーは数百分の1程度でよく、それでいて
音を崩さず完璧に近いかたちで出せるところにあると思います。
だったらアンプは必要十分なドライブ力で、最もシンプルな回路にできる!ということなの
ですね。(<今更ながら)
( ↑ この写真は本文と関係ありません、HA-1のプレカスタムです
フロントパネルはブラスト加工せずにアルマイトしたので、鈍い光沢感があります)
なんでもそうですが、大きく重くなると、それだけ動かすのに力が必要で、そうすると、力を
伝えるのに歪みや時間の遅れが出るばかりでなく、物自体の持つエネルギーで逆に押し返されたり
とかするので、更にパワーを入れたり調整したりする必要がでてきてしまう、、という悪循環に
なるのです。
だから、大型のオーディオのアンプは大きく、複雑になっていくのですね、、(<車もそうですが、
会社とかの人間関係も、怖っ)
ヘッドホン、イヤホンは逆で、究極のライトウェイトスポーツ=エコなのに気持ちいい!!なのです。
発表していたら、作るのは大変で、電池も持たない、、というビミョーなものになっていたとおもいます。
ということで、しばらくは基本に還って気楽に行きます!
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コメント
いつも楽しく拝見させて頂いております。前回のブログでは、試聴させていただいた折の私の拙い感想も載せていただき、恐縮しております。今回のブログでは開発秘話もわかり、こんなご苦労があるのかとあらためて考えさせられました。「シンプル・イズ・ベスト」まさにHA-1はそれを体現された製品ですね!
あれからヘッドフォンを2つも買い込んでしまって、HA-1に差し替えては楽しんでおります。HA-1のクセのない自然な音は、逆にヘッドフォンそれぞれの個性がよくわかり、ツイツイ他のヘッドフォンも聴きたくなって困ります。
ところで、ヘッドフォン祭りでもお伺いいたしました、オペアンプ違いバージョンのカスタムはその後、進んでおられるのでしょうか?HA-1の素性の良さはそのままに音の質感が違うのは、けっこうハマりました。お財布との相談はありますが(笑)、ぜひ前向きに購入を検討しておりますので、またブログで取り上げていただければ幸いです。
投稿: Sho | 2010年5月22日 (土) 02:53
Shoさま
ヘッドフォン祭では楽しくお話させていただきありがとうございました。いただきましたご評価をかなり好意的に解釈してしまったかもしれません(笑)さらには開発話はお恥ずかしい限りです。
オペアンプカスタムは、基本が素直なHA-1だからこそ、音色の違いを高いレベルで楽しんでいただけるのではと考え検討してきました。先のヘッドフォン祭りでShoさまはじめ皆様に試聴していていただき好感触でしたので、、ちょうど昨日より、アコースティックフィールドさんで、カスタムのご案内をさせていただいています。
これからもパーソナルな発想と方法ですこしづつやっていきたいとおもいますので、よろしくお願いいたします。
投稿: MH audio | 2010年5月25日 (火) 23:14